ペットのご相談・ペットロス
ペットのご相談
ペットのご相談につきましては全般的にお受けいたします。
・ペットを飼い始めるための注意点
・パートナーとしてのペット選び
(例:犬を飼いたいけれど自分にあう犬種の性格や特徴が知りたい など)
・しつけ方法のアドバイス
・生活面で気になる点
・病気について詳しく知りたい
・セカンドオピニオンのようなアドバイスが欲しい
獣医師であるため病気や心配な点、ケアに対してのアドバイスができます。
注)第三者としての意見のみお答えいたします。
基本はかかりつけ医の先生の御指示が一番です。
参考までのアドバイスです。
医療行為及び診察は致しません。
また獣医師に対しての個人的な感情や意見は私から積極的にお答えできかねます。
ご了承ください。
ペットロス
ペットロスとは
愛するペットがある日突然いなくなってしまった時の不安はとても大きいです。
一般的には亡くなってしまったという時に使用されていますが、行方不明のままであり生死が不明も含まれていると私は考えています。
いずれにしても家族のそばにいられなくなってしまったという喪失感は大きなストレスです。
そのストレスが引き金となり体調不良を引き起こしてしまう症状をペットロス症候群と呼びます。
身体的症状の一部を下記に記します。
・情緒不安定
(急に泣く、怒る沈み込んでしまう)
・気持ちの揺れが激しい
(感情の起伏が激しくなる)
・体調不良
長期にわたって食欲がない
睡眠が極度に長いあるいは寝付けない
やる気がおきない
・生活パターンに変化がおきる
いつもしていたことができなくる
などなど、人によって表れ方が異なります。
これらの症状は過度なストレスを受けた時には起こります。
つまり「ペットがなくなってしまった」ことが引き金でおきた精神的なダメージの事をさします。
ではなぜペットロスと呼ばれるのでしょうか?
ペットロス症候群には段階があると定義されています。
しかし私が実際ペットロスになってみて感た事は特にペットロスに特化した症状ではないと考えています。
大切な命の喪失感から始まる心の崩壊
愛するペットを亡くした人、すべてがペットロスになる訳ではありません。なる人とならない人がいる訳です。よく質問されることなのですが「どんな人がなりやすいですか?」ということです。この質問に関してはいささか疑問に感じています。統計を取り、どんな性格傾向にある人がなりやすいということを研究している学者さんもいると思います。その結論が出たとしても私には納得がいかないと考えています。あくまでも持論ですから参考までにここに記します。私の答えは「性格傾向は関係ないです」。ある一定の割合で似通った性格の人たちがいることはわかりますが、誰にでも突然陥る可能性はあるといいたいのです。「自分は絶対にならない!」と言い切れないことです。
私の両親は獣医師で生まれた時から獣医師という職業以外の仕事を知りませんでした。社会や会社の仕組み、役割などはもちろんのこと多様な思考があることすら知り得ませんでした。家族=社会のすべてでした。「井の中の蛙大海を知らず」とでも言うのでしょう。現在のようにネット環境もなく知りたい情報を得るには途方もない苦労がありました。当たり前のようにスマホやPCで同じような想いや悩みを抱えている人などいないと考えていました。身近な大人の言うことが世界のすべてだったのです。そうなると動物が亡くなると悲しい気持ちになる→自然と泣く→両親は理由もなくただ泣くなと叱る→泣くことはいけないことだと認識すると言う論理が自然と成り立ちます。沸いてくる感情をただ否定され続けると人はどうなるのでしょうか?自分の中の気持ちをわかってもらえずに他人から拒否や禁止をされたら子どもの気持ちはどう解消すればいいのかわからなくなります。我慢しなくてはいけないと訳もなく周りから言われ続けたら無理にそうせざるを得ません。大好きだったペットが動かなくなってしまった、大好きな人が死んだしまったと言う事実に対して個々の反応は全く異なります。悲しくて涙が溢れる人もいれば泣かない人もいる、関係性によってはほっとしてしまう人もいるのでしょう。それぞれの感情に良いも悪いもないのです。「気持ち」に優劣も「成否」もないはずなのに多くの他人はその人の反応に対して色々な意見を述べます。まずそれがねじれた感情を生み出す一つの理由なのだと私は思います。特に欧米諸国等と比較すると日本は独特の「美学」があり悲しみや怒りをあらわにすることを社会的に恥だと思わせる風潮があります。悲しい時も涙一つ見せないのが「大人であり美学である」とされている考え方が根付いているために悲しみや憎しみなどの負の感情とされているものを幼い時から抑制してしまう規範を無意識に実行してしまいます。これが悲しみから解き放たられることのない苦しみに変わり、やがて行き場の無い理不尽な怒りへと変貌するのです。
悲しいときは思い切り泣いて良いのです。それが子どもであろうと大人であろうと年齢や性別は関係ありません。誰かに見られるのは嫌だし恥ずかしいと思う方も多いでしょう。しかしその想いに嘘はつきたくない気持ちもあります。そんな時、家族や周囲の人が同じように悲しみを感じてくれなくて泣いている事や落ちこんでいる姿を見てとがめる素振りをされたら納得がいかないでしょう。それがペットロスやグリーフィングといった後々まで残ってしまう心のしこりの要因の一つです。
家族や友人に理解されない悲しみを抱えていると自分が悪いのかもしれない、と考えてしまいがちです。他の人にこの悲しみが伝わらないのは自分自身がおかしいからだ、と思ってしまうとさらに心に負担がのしかかり気持ちが晴れることはありません。いつの間にか心は余裕を失い崩壊をして行きます。それを私は知っています。悲しい気持ちをまず認めて、何がどう苦しいのかを誰かに話すことで自分の中の苦しみの原因を理解します。「亡くなってしまった事実を取り返すことはできません」。しかしその後に様々な考えがあなたを苛ませているのならば私はそれを受け止めます。それを繰り返していくことで段々と自分の気持ちと折り合いがついて悲しみの渦が穏やかになると思います。心の崩壊を全て修復することは難しいことでしょうが苦しみを和らげ、新しい考えや発想に着目させていくことが私の仕事だと考えています。